夢見たウユニで6日間過ごした。
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9月29日 1DAYツアー 
10月2日  SUNSETツアー
10月4日  SUNRISEツアー 

この時期は乾季となる為、日本人が大好きな鏡張りはそれほど期待できない。
と言っても少なくとも写真レベルの鏡は存在するのでこれでも満足な人は季節を選ぶ必要がないだろう。
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ただ、やはり雨季になると雲の量も増える。より綺麗な鏡張りが見るなら1月〜3月の雨季が狙い目だ。

私も次行くならその時期を狙って行きたい。 

ちなみに欧米人は鏡張りに興味はなく、水が張っている所には全員アジア人が訪れていた。

鏡を見たいならばツアー会社も日本人向けや韓国人向けの会社を選ぶことが必須で、欧米人向けのツアー会社を選ぶと、水があるところには行かない。
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今回は3ツアーとも「穂高ツアー」という日本人向けの会社でお世話になったが、それについては多くの旅人がブログなどで書いているのでここでは割愛する。 

とにかく。

前回の記事「日本人のロマン 陸路で国境越えした話」で書いた鬱憤を見事に晴らしてくれた。
 

やはりウユニはすごかった。

旅に出る前は誰も知らないような秘境を目にしたいと思っていたが、インターネットによって情報がウンとあるこの現代でそんなところを探す方が難しいのかもしれない。

なんだかんだ大勢から人気のあるところが心に残る。ウユニ然りマチュピチュ然り。

ただそんなウユニともお別れである。

私はバスでボリビアの南に位置する「世界一南北に長い国」チリへ向かった。

チリでの目的は主に2つ
  • 「アタカマ砂漠」で世界一綺麗な星空を眺めること
  • 南米大陸の南端、アルゼンチンとの国境に跨る「パタゴニア」で大氷河を拝むこと
とどのつまり、チリの北からバスで入国し、この10日のうちに一気に南下。
もちろん飛行機は使うが、縦断をすることになっている。

そして10日後の10/15には南米を出てとうとうユーラシア大陸へ入る。
ちなみに始まりはスペイン・マドリッドである。

そんなこんなで私はウユニの街のバスターミナルからバスに乗った。

ちょうどこの日は木曜日でウユニの町全体で大きな市場が開かれていた。
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南米では毎週木曜、日曜に市場を開くのが習慣なのだろうか。
思い返せばそんな気がする。

市場で地元民の大衆に混じりながら腹ごしらえを済ませ、8時間の長旅になるバスでの軽食も購入した。
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PM2時
これから長い付き合いになるバスとのご対面である。 

車内も清潔で席も広い。特に車両に対しての不満はなかった。乗客が乗り込み出発する。
 
しばらくすると、私たちが乗ったバスは砂漠の中に無理矢理作られた舗装もされていない砂利道を走っていた。

揺れが酷い。
すぐにちゃんとした道にでるだろうと甘い考えが頭を覆っていたが、結局4時間その道を走り続けボリビアとチリとの国境に着いた。
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PM6時

揺れのせいで一睡もできずに疲れが溜まった重い体を起こしバスを出た。
まずはボリビアの出国審査に並ぶ。
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前回と同じだった。特に何も聞かれずに出国のスタンプを押される。

そこからバスに戻り、国境を越える。10分ほど走らすと今度はチリの入国審査である。
ここでは久し振りに審査官との会話があった。

「チリのどこへ行くんだ」
「アタカマだよ」
「今夜泊まるホテルは?」
「まだ決めてない。着いたら探すよ」

たんたんと質問に答えたが、このとき実は内心焦りがあった。

予定ではこのバスが目的地に着く時間は22:30、そこから初めて行く地で宿を探すのは、なかなかハードな作業だからだ。

審査官としてはそんな信頼のできない旅人にはグチグチ言いたいのが本心だろうが、彼は何も言わず、うんと頷いて入国のスタンプを押してくれた。

次は税関審査である。

隣の建物へ行き、荷物を検査する。これまでとは違って検査は機械センサーではなく審査官による手作業である。
 
つまり自分の荷物たちを隈なく弄られる。

特に危ないものも持っていないし大丈夫だろうと、税関申告書の裏面にある文章を読んだ。
そして、そこにはこう書かれていた。

「動物や植物で作られたものは持ち込み禁止。例えば、、、」

この時私が持っていたのは、バスの中で配られた簡単なランチと市場で購入したポテチとパン。
ランチにはビーフと米が入っていたから、これはダメだと自分で判断できたが、
ポテチとパン、、、たしかにそれぞれジャガイモと麦から作られているが、
さすがにこれはいいんじゃないか? と自分では判断し難かったので、近くにいた人に尋ねると
 
「もちろんダメだよ」
 
と首を振られた。

せっかく購入したのに捨てるのはもったいない。
税関審査までの列でできる限り体内に詰め込んだが、入りきらなかったものは列のすぐ近くにあったゴミ箱へ捨てる他になかった。そのまま持ち込めば罰金を払わなくてはならないかもしれない。

これでよし。

そう一仕事片付けたような満足感に浸って、また自分の番を待った。

「次!」

私の番が来て、自信満々に荷物を審査官が立つ目の前の机に置く。
そしてその時に重要なことに気がついた。

あ、グローブ、、、

そう。牛の革である。

一気に不安が襲ってきた。これまでこのグローブたちで何人友達ができたのだろうか。
走馬灯のように思い出が蘇ってきた。

ここまできたら、何が何でもこいつらを守る。

「動物で作られたモノはもってないね〜?」
「は、は、はぃ(汗)」
「本当に無いね〜?」
ガサゴソ
「は、はぃ(汗) もちろん無いでございます」
「よーし、いってよし」

ほっ。

守りきった。建物の外に出てグチャグチャに調べられた荷物をもう一度整えてバックパックに詰める。

その時。

煌びやかな髪をなびかせ、バッチリと決まった化粧を施した女性が私の横を通った。

ただ私が注目したのは彼女の美しい顔でもなく、引き締まった体でもなく、肩に掛かっていた鞄だった。

「クロコダイル製、、、ワニ、、、」

余裕やん。
 
確かに鞄や靴だって、良いものは動物の革から作られているじゃないか。それが毎回チェックで引っかかったら誰もチリに入らなくなる。

私に足りなかったのは余裕だ。普通に考えれば誰でもわかることだ。

「フッ」

自分自身が可笑しくなって、バスへ乗り込んだ。
入国審査は終えた。このまま目的地まで一気だ。
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久々に国境を越えて高揚感が体を支配したような気がしていた。

この先にトラブルが待ち受けているとも知らずに。

続く。

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